REC ● VHS ARCHIVE
未観測世界を復元しています...

存在してほしかった世界

2017 年 6 月
スマホが存在しないまま進化した世界
1996 年 8 月
電車が24時間動いていた世界
1989 年 4 月
AIが人類の味方として受け入れられた世界
1990 年 5 月
学校にテストが存在しなかった世界
2002 年 9 月
2005年にVR旅行が普及していた世界
2018 年 3 月
学校にテストが存在しなかった世界
スマホが存在しないまま進化した世界
2012年、スマートフォンはまだSFの中の夢だった。
携帯電話は多機能化の極みへ。高精細カメラでの動画撮影、非接触決済、簡易ネット接続も完備されていた。
街には「パブリック・インタフェース」と銘打たれた大型情報端末が溢れ、
AIが個人に合わせた交通案内やグルメ情報を教えてくれたものだ。
待ち合わせは少し手間取ったけれど、だからこそ再会の瞬間は格別で、
カフェでは誰もが、目の前の相手と向き合い、心ゆくまで語り合った。
休日には、地図アプリを搭載した高音質デジタルオーディオプレーヤーを手に、
見知らぬ路地裏を気ままに散策するのが、密かな流行だった。
あの頃の、少し不便だけど確かに濃密だった日常。
画面越しの繋がりが支配しない、人と人がもっと近かった世界を、時折無性に思い出す。
もしあのまま時が流れていたら、どんな今が待っていたのだろうか。