壁谷さんのカバン
出典:
Fictional Wikipedia /
存在しなかった記憶
概要
大手電機メーカーに勤める伝説的なベテラン社員、壁谷(かべや)隆一が常に持ち歩いていた、書類がパンパンに詰まったブリーフケースの通称。彼の仕事への執念と、紙媒体への異常なまでの信頼を象徴する存在として、社内で語り継がれている。
来歴
壁谷隆一は、入社以来30年以上、一度もそのカバンの中身を他人に見せたことがない。デジタル化が進む現代においても、彼は重要な書類は必ず印刷し、手書きのメモを加え、このカバンに収納していた。定年退職の際、ついにそのカバンが開かれるかと思われたが、彼は満面の笑みで「これは私の秘密基地ですから」と語り、カバンを抱えて颯爽と会社を去った。
エピソード
一度、社内イベントでカバンを秤に乗せたところ、推定15kgを超えていたことが判明し、周囲を驚かせた。彼の席の周囲は、常にカバンから発せられる「紙とインクと、少しだけコーヒーの染み」の混じった独特の香りが漂っていたという。また、カバンを忘れた日は、なぜか壁谷さんの仕事の効率が著しく低下し、常に何かを探しているような素振りを見せるため、「カバンが本体」という噂がまことしやかに囁かれた。彼の退職後、若手社員が同様のブリーフケースを持つようになり、彼らは「ネオ壁谷」と呼ばれている。