REC ● YOUTH MEMORY ARCHIVE
Y-5041
#5041 真夜中の砂場、失われた「何か」を探す無謀な秋の夜
16歳 / 秋 / 共感 0
深夜二時、街灯の光が曖昧な公園で、俺とアキラは凍える秋風に震えていた。
アキラは小さなスコップ片手に、まるで宝でも探すかのように、無言で砂場を掘り続けている。
「おい、もう諦めろって。手、かじかんでんぞ。」俺はジャンパーの襟を立てて言った。
返事もなく、アキラは落ち葉と砂を混ぜ合わせた泥だらけの手で、さらに深く掘り進める。その横顔は妙に真剣だった。
「マジで何してんだよ、お前。警察来たらどうすんだ。」もう何度目かわからない問いかけ。
やがて、アキラはスコップを放り投げ、力なく地面に座り込んだ。「…昨日、埋めたんだ、俺が。」
「は?何をだよ。」俺が怪訝な顔をすると、アキラは吐く息を白くさせながら、ぽつりと呟いた。「…今日の現社の小テスト、俺の消しゴムがないと解けねぇんだよ。」
「はあああああ?」俺は思わず叫んだ。「昨日、数学で赤点取ってさ、腹立って…全部消し去りたくて、その怒りごと消しゴム埋めてやったんだよ、ここに。」
結局、その消しゴムは見つからなかった。
それでもアキラは、どこか吹っ切れたような顔をしていた。俺はといえば、明日からの小テストをどう凌ぐか、そっちの方が気になって眠れなかった。