ぼくのロッカーは、あの、みんなのよりちょっと奥の、せまいとこ。
なかには、ちっちゃい石ころと、ぐちゃぐちゃの紙、あとおひるごはんのときにこっそりかくした、オレンジの皮がはいってる。
だれにも見つからないように、いつも奥の奥にしまっておくんだ。
みんながわーわーしてるロッカーは、どうでもいい。ぼくのは、とくべつ。
たまにとなりの子がチラってのぞきにくるけど、だめだ。見せられない。
せんせいが『あら、お片付けしようね』って、ロッカーに手をのばしたときは、心臓がドッキンてした。
でも、せんせいは、『まあ、いっか』って、ふふって笑って、すぐに手をひっこめた。きっと、ぼくのひみつが、すごすぎるってわかったんだ。
おやつの時間前、こっそりロッカーにもぐりこむ。
ここは、だれも来ない、ぼくだけの場所。
だから、ここでだけは、だれにもきかれずに、お気に入りの石ころに、こっそりお話してるんだ。
#5974 ロッカーのすみっこ、ぼくだけの場所